一般に盆とは、盂蘭盆(うらぼん)の略語とされ、
あの世で苦しんでいる死者を供養し救う仏教行事とされています。
しかし、祖先の霊を迎えてお祭することは、日本の古来からの習俗でした。
古くは1年に2度行われていたとされますが、
このうち初秋のみたま祭りが仏教の盂蘭盆と習合したものが
盆であると考えられています。
関東地方では7月15日に行われることが多いですが、
8月15日に行うところも多くみられます。
「おがら」と呼ばれる麻の茎や麦蕎、松の割り木などを焼いて、
祖先の霊をお迎えしたり、灯篭を流してお見送りするなど
地域によって様々な風習があります。
盆踊りも本来、祖先の霊を慰め送り出すもので、
あの有名な阿波踊りは盆踊りの一つです。
日本にはたくさんの年中行事があり、
その中で祖先の霊をおまつりするものも少なくありません。
「盆と正月が一緒にきたようだ」とは、
うれしいことが重なったときなどに使う言葉ですが、祖先の霊をお迎えし
交流できる日だからこそ、特別な日として大切にされてきたのです。